ダイエットをすると、体重は減っても「筋肉まで減ってしまった…」なんて経験ありませんか?
体脂肪が落ちてスッキリしたように見えても、筋肉量まで減ってしまうと基礎代謝が落ち、リバウンドしやすくなる原因になります。
では、どうすれば“脂肪だけ”をうまく減らし、筋肉をキープしたまま痩せることができるのでしょうか?
今回は、Campbellらによる研究を紹介しながら、「筋肉を守りつつ脂肪を落とすダイエット」について解説していきます。
Campbellらの研究:高タンパク食 vs 通常の食事
2016年、Campbellらが行った研究は、ダイエット中のタンパク質摂取がどのように体に影響するかを調べたものです。
【研究の概要】
• 対象:若年の男女40名
• 期間:12週間の減量プログラム
• 内容:以下の2つのグループに分けて比較
グループ タンパク質摂取量 目標
高タンパク群 1.6g/kg/日 筋肉を保ちながら脂肪を減らす
通常タンパク群 0.8g/kg/日 一般的な食事での減量
【結果】
• 高タンパク群:体脂肪が有意に減少。筋肉量はほぼ維持された。
• 通常タンパク群:体脂肪は減少したが、筋肉量も同時に減少した。
この研究からわかるのは、「十分なタンパク質を摂取すれば、筋肉を落とさずに脂肪を効率よく減らせる」ということ。
ダイエットの成功には、“体重”ではなく“体組成(筋肉と脂肪のバランス)”が大切だと再認識させてくれる研究です。
高タンパク食のメリット3つ
高タンパクな食事には、筋肉維持以外にもダイエットに嬉しい効果があります。
1. 筋肉の分解を防ぐ
カロリー制限中は、筋肉がエネルギー源として分解されやすくなります。
タンパク質をしっかり摂ることで、それを防ぎやすくなります。
2. 代謝をキープ・向上できる
筋肉量が減ると基礎代謝も下がってしまいます。
筋肉を維持できれば、代謝の低下を防げるので、痩せやすくリバウンドしにくい体に。
3. 満腹感が持続しやすい
タンパク質は消化吸収に時間がかかるため、腹持ちが良く、間食の予防にもつながります。

どれくらいタンパク質を摂ればいいの?
Campbellらの研究では、体重1kgあたり1.6gが目安とされました。
体重60kgの人であれば、約96g/日のタンパク質が必要です。
食品 タンパク質量(目安)
鶏むね肉(100g) 約23g
卵(1個) 約6g
豆腐(1丁) 約20g
ギリシャヨーグルト(100g) 約10g
これらを朝昼晩にうまく分けて取り入れることで、自然と高タンパクな食事が可能になります。

高タンパク食を実践するときのポイント
いくらタンパク質が良いといっても、「摂りすぎればOK」というわけではありません。
● カロリーオーバーには注意
タンパク質もエネルギー源なので、摂りすぎれば太ります。
リバウンドをしないための方法が知りたい方は…
👉【もうリバウンドをしないための方法とは?】
あくまでカロリー制限の中で、脂質や糖質を調整しつつ、タンパク質を多めにするのがコツです。
● 食事だけでなく、軽い運動も取り入れると◎
筋トレやウォーキングなど、軽い運動を組み合わせると、筋肉の維持効果がさらにアップします。

まとめ:筋肉を守りながら脂肪を落とそう!
体重が落ちた=成功、ではありません。
筋肉を残しながら脂肪を減らすことが、健康的でリバウンドしにくい理想のダイエットです。
今回紹介したCampbellらの研究でも、高タンパクな食事こそが“質の良い減量”に有効であることが示されました。
カロリー制限をしながら、しっかりとタンパク質を意識した食生活を心がけてみましょう。